富士山噴火の歴史

 富士山は、まだ比較的若い山で、10万年くらい前に生まれたばかりです。それが噴火によって今のような日本一高い山に成長しました。富士山は、少なくとも過去40回以上、噴火したと言われています。まずは、過去の富士山噴火がどのようなものだったかを紹介していきましょう。
 富士山は独立峰ですが、その山体は地質学的に、先小御岳、小御岳、古富士、新富士の4段階に分けられます。最も最初にできたのが、先小御岳で、小御岳の下にある地層が見つかったのはごく最近です。先小御岳は、近年のボーイング調査によって判明した火山で、この先小御岳が最も古い火山体。この先小御岳を覆うように、噴火によって現在知られている小御岳ができ、小御岳と並ぶように古富士ができ、そして小御岳と古富士を覆うような大規模な噴火が起こって新富士となりました。
 小御岳は、数十万年前から10万年前ぐらいまで活動していた火山体。小御岳は、富士山ができる前から信仰のあった山で、富士山の5合目には小御嶽神社があります。このあたりが小御岳の山頂になります。古富士は約10万年前ごろの噴火でできた地層で、今は富士山の地表からは確認することはできません。その古富士が、今から1万年ほど前に古富士山頂の西側で噴火が始まり、大量の溶岩を噴出しました。そして、約三千万年ほど前に、風化による山体崩壊が起こりました。溶岩や火山灰でできた地層は柔らかく、崩壊しやすいのです。そして、現在の、私達が良く知る富士山の形がほぼ出来上がったのです。
 これからは、歴史に残っている富士山の大きな噴火についてもっと詳しく紹介していきます