首都圏の被害

 内閣府から設立された「富士山ハザードマップ検討委員会」では、過去の富士山噴火を参考に、多角的に富士山噴火を予想しています。特に記録の多い宝永大噴火は、今後の防災に役立てるためにかなり詳細に分析されています。宝永大噴火は、降灰が広範囲に広がったことから、宝永大噴火と同程度の降灰が合った場合、東京都と神奈川県のほぼ全域・埼玉県南部・房総半島の南西側一帯まで影響があると想定されています。富士山周辺ではなく、離れた場所、宝永大噴火の際、江戸に灰が降ったように、首都圏などでは溶岩や、軽石、スコリアの火砕流ではなく、火山灰の降下が予想されます。桜島の噴火による降灰があっても、鹿児島の人たちのように灰を掃除すればそれで済むのでは? なんて、甘いことを考えている人、いないでしょうか。
 降灰で問題になるのは、昔はなかった電化製品や、電子機器の故障に繋がる可能性や、鉄道・空港が使えなくなり、交通機関が麻痺することなどです。首都圏は、もちろん地方とは比べ物にならないくらい人口も多く、機能が集中しています。天候によっては、長時間の停電も予想されています。日本は東京一極集中の首都機能であるため、政治・経済機能がストップする危険させあるのです。そして宝永大噴火のときのように、呼吸器系に悪影響があり、相当数の人が呼吸器系の障害になると考えられています。また、富士山周辺の被害で紹介した土石流、これはもちろん、灰が積もれば離れた場所でも土石流の危険が出てきます。富士山が噴火して灰が降ったら、特に山間部に住んでいるはいつも以上に土石流に気をつけなければいけません。